教育訓練給付金とは?最大80%給付になった3種類の違いと対象講座の調べ方
この記事のポイント
- 教育訓練給付金は3種類。一般(20%・上限10万円)、特定一般(40%・上限20万円)、専門実践(50%・年間上限40万円)
- 2024年10月の拡充で、特定一般は資格取得で50%に、専門実践は資格取得+賃金上昇で最大80%(上限64万円)に
- 対象講座は厚労省の「教育訓練講座検索システム」で調べられる
- 転職前提の経産省リスキリング補助金とは別制度。転職を考えていない人はこちらが基本
働きながら資格や講座で学び直すとき、受講費用の2割〜最大8割が雇用保険から戻ってくるのが教育訓練給付金です。2024年10月の制度拡充で給付率が引き上げられ、専門実践教育訓練では最大80%(上限64万円)まで給付されるようになりました。
制度自体は昔からありますが、種類が3つに分かれていて「自分の講座はどれに当たるのか」が分かりにくい。私も学び直しを調べる中でこの制度に行き当たり、整理に時間がかかったので、この記事で3種類の違いと調べ方をまとめます。
教育訓練給付金の3種類と給付率
教育訓練給付金は、講座のレベルに応じて3種類に分かれています。
| 種類 | 給付率 | 上限額 | 対象講座の例 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | 幅広い資格・講座 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(資格取得で50%) | 20万円(拡充時25万円) | 速やかな再就職に効果が高いとされる講座 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(最大80%) | 年間40万円(拡充時64万円) | 中長期的なキャリア形成向けの講座 |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」
ポイントは、2024年(令和6年)10月以降の拡充で「成果を出すと給付率が上がる」設計になったことです。
- 特定一般:修了で40%、資格を取得すると50%(上限25万円)
- 専門実践:受講中に50%が支給され、資格取得して雇用されると70%(上限56万円)、さらに賃金が5%以上上昇すると80%(上限64万円)
たとえば受講料60万円の専門実践対象講座なら、基本給付だけで30万円、資格取得と賃金上昇まで達成すれば最大48万円が戻り、実質負担は12万円まで下がる計算です。
誰が使えるのか?
給付を受けるには雇用保険の加入期間などの受給要件を満たす必要があります。要件は種類や利用回数(初回かどうか)で変わるため、正確な判定はハローワークでの照会が確実です。「教育訓練給付金支給要件照会」という手続きで、自分が対象かどうかを事前に確認できます。
また、特定一般と専門実践は受講開始前の手続き(キャリアコンサルティングやハローワークへの申請)が必要です。「申し込んでから調べる」と間に合わないことがあるので、順序は制度確認が先です。
対象講座はどうやって調べる?
対象講座は、厚生労働大臣の指定を受けたものに限られます。調べ方は2つあります。
- 厚労省の「教育訓練講座検索システム」で検索する。分野・資格名・地域などから、どの給付区分の対象かを確認できます
- 受けたい講座のページで給付対象の表記を確認する。スクール側も対象講座には「専門実践教育訓練給付金対象」などと明記していることが多いです
注意したいのは、同じスクールでも講座によって対象・対象外が分かれること。スクール名ではなく「その講座が指定されているか」で確認する必要があります。
給付金対象になる講座にはどんなジャンルがある?
「対象講座」と言われてもイメージが湧きにくいので、代表的なジャンルを挙げます。自分の学びたい方向がどこに当たるかの目安にしてください。
- IT・データ・AI系:プログラミング、データサイエンス、生成AI活用など。第四次産業革命スキル習得講座として専門実践の対象になっているものが多いジャンルです
- 士業・専門資格:行政書士・社会保険労務士・中小企業診断士、国家資格キャリアコンサルタントなど。中長期のキャリア形成に向けた専門実践の対象になりやすい領域です
- 事務・会計系:簿記、ファイナンシャル・プランナー(FP)、宅地建物取引士など。一般・特定一般の対象講座が豊富です
- 現場系の国家資格:電気工事士、施工管理技士、危険物取扱者など。手に職をつけたい人向けで、特定一般・専門実践の対象になっているものがあります
- 語学:TOEIC対策や実務英語など。一般教育訓練の対象になっている講座があります
いずれも「そのジャンルの講座がすべて対象」という意味ではなく、個別の講座が指定を受けているかどうかで決まります。気になる講座を見つけたら、前述の検索システムで対象区分を確認するのが確実です。
「人の相談に乗る仕事」の方向に関心がある方は、国家資格キャリアコンサルタントの養成講座を別ページで紹介しています。申請の順番もあわせて整理してあります。
給付金を使って学べる講座の例
イメージを具体的にするために、ジャンル別に講座の例を挙げます。給付の対象区分や給付率は講座・申込コース・時期によって変わるため、申し込み前に必ず各講座のページと検索システムで最新の条件を確認してください。
キャリアの専門資格を取りたいなら、国家資格キャリアコンサルタントの養成講座があります。日本マンパワーのキャリアコンサルタント養成講座は、受講料の最大8割が戻る専門実践教育訓練給付の対象講座として案内されている講座のひとつで、まずは無料の資料請求や説明会から検討できます。人事やキャリア支援の仕事に活きる資格で、セカンドキャリアを考える層にも受講されています。![]()
電気工事士や施工管理技士などの現場系国家資格を独学で狙うなら、SATのeラーニング講座のように、合格に必要な範囲へ絞った教材で学ぶ方法があります。独学と対面講習会の中間にあたる選択肢で、費用を抑えつつ質問サポートも受けたい人向けです。![]()
行政書士などの士業に挑戦するなら、行政書士TEPPAN通信講座のように書籍とオンライン講義を組み合わせた教材が、独学からのステップアップに向いています。スキマ時間中心で学習を進めたい社会人が使いやすい構成です。![]()
繰り返しになりますが、同じ講座でも申込コースによって給付の対象・対象外や区分が分かれます。上記はあくまで学びの方向性の例なので、実際に申し込む際は給付対象かどうかを必ず確認してください。
経産省のリスキリング補助金とどちらを使うべきか?
社会人の学び直し補助には、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(最大56万円)もあります。似ているようで前提が違うので、簡単に言うと次の使い分けになります。
- 転職を目指している → 経産省のリスキリング支援事業が候補。仕組みはリスキリング補助金の解説記事にまとめました
- 転職は考えていない・今の仕事でスキルを上げたい → 教育訓練給付金が基本
- 同一講座での併用はできないため、どちらの制度の対象講座かを先に確認する
調べていて感じた注意点
- 「最大80%」は条件つき。資格取得や賃金上昇まで達成した場合の数字で、誰でも無条件に8割戻るわけではありません
- 申請タイミングを逃すと使えない。特に特定一般・専門実践は受講開始前の手続きが必須です
- 給付は原則あとから。受講料はいったん自己負担なので、手元資金の計画は必要です
- 制度は改正が続いている。この記事の数字は執筆時点のもので、利用前に厚労省サイトとハローワークで最新の条件を確認してください
まとめ:転職しない学び直しの基本制度
- 教育訓練給付金は一般20%・特定一般40〜50%・専門実践50〜80%の3階建て
- 2024年10月の拡充で「資格取得・賃金上昇で給付率が上がる」設計になった
- 対象かどうかはハローワークへの支給要件照会と講座検索システムで確認する
- 転職前提なら経産省のリスキリング補助金と比較してから決める
そもそも何を学ぶかを決めかねている場合は、社会人が生成AIを学ぶ選択肢の記事とリスキリング需要のデータ記事もあわせてどうぞ。
ジュソン
IT業界で10年以上働く会社員。ChatGPT登場初期から生成AIを実務で使い続け、独学でのスキル習得と生成AIパスポート取得の両方を経験。社会人の学び直し・リスキリングを実体験と一次データで発信しています。
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